強烈な金属音『ガッキィ〜ン!!』の音を聞いてから、「やはり!」とか「どうして?」「あれが原因?」とか頭の中がパニック寸前になった。しかしどこか冷めたところがあって、その原因は『何年も放置していたこと』とか、『いま一つ心配で軟らか目のオイルを使ったものの、あの精密なエンジンの隅々までオイルが行きわたっているのか?』とか、『心配事山積みのままエンジンに”火”を入れてしまった』等々・・・。ショックでショックで泣きたい位だが、正直『やっぱりなぁ』という思いが悔しさと同時に湧き上がってくる。もう少しだったのに!!あばらまで折ってがんばって仕上げてきたのに・・・とか。。。
一気に凹んでしまって、沈んでしまって、布団をかぶって泣こうか?とか。。。恥ずかしい思いも過ぎる。。。『お前、プロやろーバッカモ〜ン!!』・・・・・・・・・・・・・。その日は何もする気がなくなり・・・今までの経緯をおさらいしてみることに。(頭の中でグルグルと)
いや!絶対に僕は間違ってない!クランクも軽くなったし、セルで回した時も普通に回ってたし・・・??・・・ひょっとしてオイルラインにトラブルがあったのかも?栓をしたまま配管したのか?いいや!そんなはずは無い!!じゃぁ、クランクの下からオイルを抜いてみよう。ドレンボルトを外して・・・にゅる〜っとオイルがわずかに抜けて出てきた。色は?少し銀粉が混ざってるものの・・・??もう少し出てきてもいいはずなのだが。オイルラインを考えたらこのセンターからは通常そんなに量は出ないはずである。しかしとにかくものすごい異音がする。それも左バンクから出ている。
そして一番ひどい音を立てている左バンクをばらし始め、左チェンカバーを開けると・・・スプロケットが欠けてバラバラに!しかも一番シリンダーのロッカーアームが折れている!!これは?・・・ということは!バルブも見事に曲がりピストンとぶつかり突いている!ピストンは?シリンダー内は?バラすのが恐ろしくなった。祈るような気持ちで分解していき、ヘッドボルトをゆるめ、美しいヘッドを外すと。。。
混合ガソリンをいくらキャブとプラグ穴からいれても、さすがヘッド周りカム周辺までは潤滑出来ない。ここはやはりポンプにて圧送されてくるオイルにより潤滑される部分である。しかしこの左バンクのロッカーアーム周辺は今バラしている限りでは、きちんとオイルが回ってきてる。全くオイルが出てなければ、ロッカーアーム、バルブ、カムは全て焼きついてないはずであるが・・・ひょっとして・・・このエンジンを組む以前の問題か?5番シリンダーのロッカーアームが錆だらけなのも気になる。
まぁ、きちんと、とっとと早くエンジンを乗せオイルを満たして、エンジンをかけていればこんな事にならなかったかも?・・・しかし、いや?やっぱり変だ!左バンクのカムシャフトの”クリアランス”が元々渋めだったのかもしれない。幸い上の倉庫に以前の元々のエンジンがバラバラの状態でまだ有るハズだ。そのパーツを流用してやってみよう!とんだ”心臓外科手術”になった。幸い”腐らせたエンジン”のまだ生きているパーツをストックしてある”ドナー”がいる。そうだ!それを使おう!!
まだまだこの先続きそうです。めげそうですけどがんばりますので皆さん暖かく見守ってくださいね。